電カル導入戦争~準備編~

三流院内SEブログです

B社のお見積り

B社のお見積りの大まかな内容は大体こんな感じです。

・サーバー関係

・端末関係

・電カルのシステム

・他システムとの接続費

・備品関係

・人件費

・保守関係

・B社以外の各部門システム

 

そうなんです。B社は各部門システムをあまり持っていないので

社外の部門システムが見積もりに入っておりました。

 

話はそれますが、各部門システムについて簡単に説明させていただきます。

病院とはいろんな職種の職員が患者さまのために働いております。

その職員達用のシステムが当然必要になってきます。

 

分かりやすく簡単に例えを書きます。

・医師用のシステム

・看護部用のシステム

リハビリテーション科用のシステム

・検査科用のシステム

 

と、まだまだありますが省略させていただきます。

ひとくちに電カルと言っても、その中でいろんな部門用のシステムがあるわけです。

その部門システム1つ1つが集約され情報の一元管理ができるシステムが

電カルというわけです。

 

話は戻りますが、B社の場合は部門システムがそれほど充実していないので

それをカバーするために、社外のメーカーのシステムを見積もりに

載せてきたというわけです。一見、カバーできているので問題ないように

見えますが実は大きな落とし穴があります。

 

電カルはただでさえ大きな大きなシステムです。

いろんなメーカーが入ることで情報の共有化が複雑になる可能性があります。

また、何か不具合などが発生した場合、どこのメーカーに問題があるのかを

調査しないといけません。メーカーが責任のなすり合いをすることも考えられます。

さらに何か問い合わせする際も複数のメーカーに連絡を取らないといけません。

窓口が複数になるのもデメリットです。

システムのライセンスの問題もあります。B社の電カルがライセンスフリーだとしても

B社以外の各部門システムが10ライセンスまでと決まっていた場合、

その部門システムが起動できる端末が限られてきます。

これでは情報共有になりません。電カルの端末があれば、どこの端末を使っても

同じことができる、同じ情報を見ることができるのが電カルです。これ基本です。

まぁ、ライセンスを増やせばいいのですがそれには費用がかかります。

 

やはり、B社が勧める電カルは私の中で到底ありえない、という思いが

ふつふつと湧きあがりました。

もちろんS社もすべて網羅しているわけではありません。

しかしほとんど自社で各部門システムを持っておりました。

※これはこれでデメリットも存在します。別記事で書きます。

 

気になる金額ですが、S社より高かったです。何百万かの差がありました。

B社もS社と同じように値段調整に入りました。

 

これで、双方のお見積りが揃い、双方と金額調整が同時並行で進むことになりました。

 

続きは次回書きます。

よろしくお願いします。

S社のお見積り

ところで、みなさんは電カルの相場をご存知でしょうか?

もちろんピンキリなのと、病院の規模等にもかなり左右されますので

一概にいくらが相場、とは言えませんが、恐らく1億前後に

なるかと思います。

 

S社のお見積りの大まかな内容は大体こんな感じです。

・サーバー関係

・端末関係

・電カルの各部門システム

・他システムとの接続費

・備品関係

・人件費

・保守関係

 

また、電カル以外のメーカーにもお見積りはもちろん発生します。

・電カルとの接続費

・無線AP関係

・各部門システム

 

話がずれました。S社のお見積りですが、やはり相当な金額でした。

Y先輩にももちろんお見せしました。想定通りのような顔をしてました。

 

ここからさらに値段調整に入りました。

本当にいるもの、いらないものを院内で検討しました。

端末の台数も必要な分を各部署と話し合いして詰めたりしました。

また、S社もお呼びして

どこまで値段を下げられるか、どこをどうやれば下げられるか、

を調整しました。

 

そしてS社と調整中のなか、B社からもお見積りが届きました。

 

続きます。

どうぞよろしくお願いします。

Y先輩の作戦?

他院様への見学も滞りなく済み、見学へ行ったメンバーの意見・感想などが

まとまったので、次回のIT推進委員会で報告するべきだと思い、

Y先輩へ提案しました。

 

Y先輩:

電カルの評価は一度委員会内で報告済みなので、あまりやる意味がない。

次の委員会を開くときは、両者のお見積りを提示するとき。

ちなみに見積もり調整にはかなり時間がかかる見込み。

 

という理由でIT推進委員会で報告どころか開くことさえ却下されました。

S社が良いのはもう分かったから少し落ち着いて、とも諭されました。

私がS社を推したい魂胆が見え見えだったか、、、と少し反省しました。

がつがつし過ぎてたのかもしれません。

が、しかし、見学の報告をしないのはいかがなものでしょうか。

現場の生の声が聞けただけでも、見学へ行った意味がないとは言いませんが、

先方様にもお時間をとっていただいたし、こちら側も時間の調整をし、

とても勉強になる有意義な時間を過ごさせていただいたのに

その内容を報告すらできないとは。。。いえ、させてもらえないとは。。。

恐らく、S社への印象がさらに良くなるのを防ぎたかったのではと思いました。

敵(Y先輩)も引きません。

 

そうこうしてるうちに、電カルのお見積りが届きました。

最初に届いたのはS社でした。

 

続きはまた今度書きます。

どうぞよろしくお願いします。

ついに待望のニューアルバムが。。。

すみません、本編とは関係ない記事です。

私の趣味のお話です。

 

ついに、B'z待望のニューアルバムが発表されました。

タイトルは「NEW LOVE」です。個人的には大好きな響きです。

 

ちなみにB'z公式サイトでは、

「B'z ALBUM「NEW LOVE」2019年5月29日リリース決定!!」

となっております。前回「DINOSAUR」のときは、

「B'z NEW ALBUM「DINOSAUR」2017年11月29日リリース決定!!」

となってました。もう気づきましたね(笑) ま、NEWを多用したくなかったのでしょう。

 

そして豆知識をもう一つ。

今作では先行シングルが発売されておりません。シングル曲がない

オリジナルアルバムは今作が初となっております。かなり珍しいといえるのでは

ないでしょうか。

「WOLF」をシングルにしなかったのはなぜだろう。。せめてPVは作っててほしい。。

ま、なんにせよ発売が楽しみです。

 

令和元年のB'zの最新アルバム、「NEW LOVE」を皆さんで

心待ちにしましょう!

私の作戦

このままだと、負ける。私の脳裏によぎりました。

S社は全国レベルで見てもB社とは比べ物にならないくらい

知名度もあれば、普及率もあります。値引きはしてくれると思いますが、

B社より値引き率は落ちるでしょう。B社は電カルをもっと普及させたいはずです。

そのために多少のリスクは負ってかなり値引いてくるはず。

S社を推すには、金額以上の価値を上に見せなければなりません。

 

私は考えました。。。

他院さんに見学させてもらえないだろうか?

 

S社が稼働している他院さんと、B社が稼働している他院さんに

それぞれ見学を依頼させていただいて、次のIT推進委員会で

その結果を報告する。デモとは違い、他院さんの現場サイドの生の声が聞けるんです。

きっと各部署の職員も興味を示すはず。そして「理事会」にも内容を報告できるはず。

さっそく私はY先輩に提案しました。

各部署数人で見学に行き、その結果も併せて業者決定の材料にできないでしょうか、と。他院さんから貴重な声を聞けるチャンスでもあります。

決して損にはなりません。と。Y先輩はしぶってましたが、この話が副院長までいき、

鶴の一声で了承を得られました。

 

そしてすぐさま、2病院さんに打診し、快諾していただけました。

双方で日程調整し、どの日に何名行くのか等を調整しました。

言うまでもなく私がすべて行いました。。。もちろん他院さんとの調整は

いろんな方々の協力があってこそです。とても感謝です。

そしてもちろんY先輩は何もしていません。それどころか、

見学にも同行しませんでした。

 

ここでもう一度言います。※愚痴ります。

Y先輩はこれまで電カルを触ったことがありません。電カルがどういうものか、

大まかな想像でしか話せません。それなのになぜ電カルを知ろうとしないのでしょう。

他院でどのように運用されているのか、他院の電算ではどのようにメンテされて、

どのような苦労話があるのかなどになぜ興味が持てないのでしょう。

すみません、愚痴終了です。

 

見学の結果ですが、、、端折ります。なぜかと言うと、

S社に軍配が上がったのは言うまでもないからです。私の中ではS社を推すことに

なんの間違いもないと自信が確信へと変わりました。

 

ちなみにこの時点ではまだ、S社、B社ともにお見積りは出ていません。

 

続きはまた今度書きます。

どうぞよろしくお願いします。

最終デモ報告

さて、続きを書きます。

 

電カル2業者による、最後のデモが終わり、各部署の評価表もすべて回収し、

集計し、その結果をIT推進委員会で報告する日がきました。

 

正直、私の胸は嬉しさでいっぱいでした。私は元々S社を推していたので、

ここまで思い通りに事が進むのはすごいな、、、と内心は自画自賛でした。

 

IT推進委員会が始まり、デモの結果報告がY先輩より進められました。

Y先輩「えー、以上で結果報告でした。皆様、デモに参加していただきまして、

ありがとうございました。これからの進め方ですが、次はS社とB社に

見積もりを出させようと思います。」

 

私の心の声「ん!?」

 

Y先輩「基本的には使い勝手が良いものを選定するのは当たり前なんですが、

1千万、2千万と差がつくと話が変わってくる場合もあるので、上に総合的に判断して

いただく為に見積もりを双方に依頼しようと思います。」

 

私の心の声「何を言っているんだこの人、この期に及んで。。。言っていることは

正しいかもしれないが、なんのためにこれまでデモをしてきたんだ?もし

1千万、2千万と差がついた場合、経営層は安い方を選ぶに決まっている。。

そして電カルを使うのは経営層でもなければ、Y先輩でもない、現場なんだ。

 

どうやら、電カルの業者決定権はIT推進委員会にあるわけではなく、

上の人達で行われる会議が決定権を持っているそうなんです。

「理事会」というやつです。それは限られたトップでの会議です。

 

この日のIT推進委員会はあっけなく終わりました。

私は自分の考えが甘かったと痛感しました。考えてみたらそうですよね、

あれだけ高額なシステムです。1億超えは当たり前と言ってもいいでしょう。

さらにお金を払うのは法人なので、慎重に検討し慎重に議論されるべき案件です。

1委員会で決められる案件ではないです。

Y先輩はきっと、デモの評価で敵わないとしても、「金額面で勝てる」、

そう認識してたと思います。デモの評価表を回収したときも全然悔しそうに

見えませんでしたから。「デモで勝ったらさらに推せるな」それぐらいの認識

だったと思います。

 

私はY先輩の指示で、S社とB社に見積もりの依頼を出しました。

 

続きはまた今度書きます。

どうぞよろしくお願いします。

メーカーを2社に絞り込み

では、続きを書いていきます。

前回は各メーカー5社による電カルのデモを行っていただきました。

というところまで、書きました。

 

後日、続々と各部署より電カルの評価表が集まってきました。

今回の評価ですが、大きくわけて次の通りに評価しました。

・操作性

・見易さ

・機能性

 

もちろん、上の大項目の中にもいくつか項目があります。

そしてそれぞれ1~5点の点数をつけてもらいました。

 

結果から言いますと、、、

1位:S社

2位:B社

3位:W社

4位:F社

5位:N社

でした。この時点で3~5位の脱落が決定しました。

ちなみに1位のメーカーはぶっちぎりでした。圧倒的点差で1位でした。

2~5位までは特に大きな差はありませんでした。

 

この結果をさっそくIT推進委員会で報告し、次は1位と2位による

デモンストレーションを行うことを発表しました。

前回は1メーカーにつき、1日デモを行いましたが、

次のデモは敢えて2メーカーを同じ日にデモを行います。

もちろん部屋をわけて行います。

前回のデモと違い、詳細なデモを行うので、1部署あたりの

デモ時間も長く設定しますので、3日間ぐらいかけます。

 

同じ日にデモをする理由ですが、各メーカーを比較しやすいからです。

まず1社目のデモに参加後に、すぐさま2社目のデモに参加してもらいます。

記憶があるうちに比較がしやすい、というわけです。

 

そして、再度、メーカーや各部署との日程調整や、時間割の調整をし、

なんとか詳細なデモを行えました。後日、各部署から評価表が全部届きました。

結果、、、前回1位だったS社の圧勝でした。2位のB社も奮闘してましたが

やはりS社は強かったです。ちなみに私の住んでる地域全般の

病院さんはこのS社がほとんどを占めています。シェア率が半端ないです。

私はこのS社をはじめから推してたので、この結果はとても嬉しかったです。

また、デモに参加してくれたいろんな職員も概ね「S社がいい」と

言ってくれてたので結果はもう分かっておりました。

 

話はちょっと遡りますが、

実は、1回目のデモを行うまえに、ちょっとしたやり取りが

私とY先輩とでありました。

 

Y先輩は初めからずっとB社を推してました。

理由は簡単で、Y先輩は元々B社の職員で、B社の良さなら分かっている、

B社なら県内に事業所もあるので、何かあったときの対応に優れている、

というのが理由でした。

 

僕の考えはY先輩と違っていました。

僕の推しメーカーはS社。理由は簡単で、前の病院ではS社の電カルが

稼働しており、職員からの評判も良く、何かあれば対応しやすいと思いましたし

また県内でこれだけのシェアがあるということは、それだけデモの競争に

勝ってきてるという事実もあります。

他院さんもS社を選んでいる、ということは転職にも有利だと思いました。

他院から転職でうちの病院にきた場合、電カルの操作を覚えなおす必要がない

可能性が大です。

デモで知りましたが、S社の場合、いろんな設定の変更が容易に行えました。

B社の場合、担当者が訪問し、設定のデータベースを書き換えたりすることも

あるそうで、もう私の中では論外でした。

 

 

Y先輩と私の対立は、デモの結果で終点を迎えると思ってました。
だって、電カルを使う側の職員達の評価表では、満場一致で

S社ですから、電カルを使わないY先輩にはこの結果を覆せませんので

しぶしぶでもS社で電カルの導入を進めると思いました。そのときまでは。。。

 

そうです、電カル導入戦争の相手はY先輩だったのです。

 

続きは次回書きます。

どうぞよろしくお願いします。